「フードフォレスト」 鴨川地球生活楽校 5月レポート

〜原発に反対すると同時に、僕らは311後の答えを生きる〜

今回のテーマであるフードフォレストは直訳すると「食べられる森」だ。

なんとも魅力的なコンセプトだ。パーマカルチャーの目指すところは地球上を「食べられるジャングル」にするコトだと、創設者の一人であるビル・モリソンは言っている。

人類はこの地球上で、かつて森から誕生したと言われている。しかし、現代人はあまりにも森=自然から離れてしまい、そのことが現代の社会問題の根本になっていると言えるだろう。

このフードフォレストというコンセプトは、日本より海外の方が有名な福岡正信さんの自然農法も、川口由一さんの自然農も、みんな根っこは同じである。

僕を農的生活に導いたのも福岡さんの自然農法を実践するイタリアの農夫ダリオだった。ダリオの農園はとにかく美しく、それは農法というより「生命の芸術」だった。ダリオの暮らしに衝撃を受けた僕も「食べられる森」で暮そうと、理想の土地を探し求め鴨川の里山に辿り着いたのだ。しかし、「フードフォレストは一日にして成らず」で、時間はかかるのだ。一生の仕事だと言っても良いだろう。さらに地球全体に広げるには何世代もかかるだろう。

僕にとってこのフードフォレストというコンセプトには、人生をかけて探求する要素がすべて入っていた。自然との共生、調和、愛、平和、創造、自由、美、霊性、進化、永遠、旅、自給、自立、生命、真理、自己実現、喜び、幸福、遊び、家族、コミュニティ、持続可能な社会、地球芸術・・・。

フードフォレストのビジョンは玄関を出てから、カゴを持って森を歩いて一回りして来ると食べ物がカゴ一杯になっているというイメージだ。それは、まさに楽園だ。

新しい文明では、人生は労働と貨幣経済から自由になり、「生きることが芸術」になる。自然と科学と芸術と精神性が融合したライフスタイルは、一見すると森に暮す中世の農民のように昔へ戻ったように思えるが、それは違う。未来の暮らしとは、地球市民としての高い精神性と深い自然への理解とホリスティックな美意識にもとづいた21世紀型の究極のシンプルライフなのだ。

いつの時代も人類の新しい共生社会のインスピレーションを得た詩人、思想家、芸術家、宗教家、活動家たちは、人間の解放と世界平和を夢見て、そのビジョンを語り実践した。マハトマ・ガンジー、ウィリアム・モリス、ルドルフ・シュタイナー、スリ・オーロビンド、宮沢賢治、トルストイ、マルクス、武者小路実篤、フンデルト・ヴァッサー、ヨーゼフ・ボイス、アイリーン・キャディ、サティシュ・クマール、ヴァンダナ・シバ、ジョン・レノン、マザー・テレサ、マーティン・ルーサー・キング・・・。

「夢想家だと君はいうかもしれない だけど、僕は一人じゃない」とジョン・レノンが「イマジン」で歌ったように、地球規模の自然破壊が進む現代において、「自然との共生」そして「持続可能性」、「エコロジカルなコミュニティ」とは、もはや特殊な思想ではなく今や全世界共通のテーマであり、パーマカルチャーや自然農が世界中に広がっているのは、人類の生き残りをかけた一人ひとりの切実な願いなのだ。

今回のワークショップは母屋の裏から里山に続く急勾配の南斜面を、食べられる森にすることがテーマだ。まずはみんなでAフレームという古代エジプトから使われている等高線を出す道具を作った。

Aフレームが出来ました!

出来ました、イエ〜イ!

これはとても簡単なもので、板を2等辺三角形にして真ん中に重りを付けた水糸を垂らすだけの道具だが、これがスグレモノでサクサクと里山の斜面を計り、竹でしるしを付けて行くと見事に等高線が現れ、里山の斜面が立体的に理解出来るようになるのだ。そしてその地形を観察し、どうしたらこの斜面を「つながりのある空間」に創造することができるかイマジネーションした。

古代エジプトから使われているという測量器のAフレームで里山に等高線を出します。

その結果、まずは動線を考えて歩きやすい階段を作り、母屋のすぐ裏の急斜面にキッチンガーデン2として段々畑を作ることにした。今までは、ただ草を刈るだけの急斜面の土手が食べものを生む楽園に生まれ変わると思うとワクワクする。

やはり、今回も素材は地域で手に入る資源として竹を使った。

近所に住むブラジル人のヘジナウドさんとさとみさんの新築の家へ竹を貰いに行った。ヘジナウドさんとさとみさんは休耕地の棚田を再生し、里山で在来種の与那国馬を飼い、「百一姓」(ひゃくいっしょう)という屋号で半農半ジャーナリストの生活をしている素敵なご夫婦だ。そしてこれから、馬のいる里山カフェも開く予定だ。彼らの敷地に去年の冬に伐採した山積みになっている竹を、みんなで軽トラに積んでうちへ運んで来た。

また、素材集めとして里山の中へ入り、落葉や腐葉土を土嚢袋に詰めて持って来た。昔は競って村人が里山へ入り、貴重なバイオマス資源である薪や落葉を集めたそうだが、もったいないことに今では誰も山へは入らなくなってしまった。グローバル経済は簡単便利で物質的豊かさをもたらすが、実は自分たちの足元の土台を崩して行く。

裏の里山へ行き、肥沃な森の腐葉土を集めます。

そしていよいよ作業が始まった。20名が同じ目的を持って行動すると凄いことが起きるものだ。階段を作るチーム、段々畑を作るチーム、竹を加工するチームと各班に分かれて作業を分担すると、ただの土手がみるみると有機的な空間に生まれ変わって行く。

母屋の裏はただ草を刈るだけの急斜面でした。それがこれからあっと言う間に、有機的空間へ変身します!

階段をつくってます。

バンブーが大活躍です!

女性もガシガシいってます!

里山の資源を有効活用し、竹で土留めをします。ここには捨てるものはありません。視点を変えればすべてが資源になる!

どんどんと作業が進み、竹を利用した階段と段々畑が出来ていきます。

まるで円形劇場のような段々畑になりました!

そして、地形に合わせた円形劇場のような素敵なバンブー段々畑が出来上がった。ただ、食べ物を生産する場を作れば良いというのではなく、やはり生活空間は美しくなければ楽しくない。その円形劇場段々畑にクローバーの種と籾殻と腐葉土を混ぜた土をまんべんなく撒き、様々な苗を植えた。これはカバークロップという手法で、クローバーでマルチをするのだが、これが一石二鳥どころではなく一石十鳥くらいの役割を果たすのだ。

雑草抑制のマルチ、保水、緑肥としての窒素固定、蜂の蜜源、受粉の促進、土壌浸食防止、美しい景観、養分流亡防止、伸びすぎたクローバーを刈って敷けば自然農的亡がらの層をつくる、不耕起栽培、降雨の表面流失の軽減、増収効果・・・。

カバークロップの種まき。里山の腐葉土と籾殻とクローバーの種を混ぜたものを播いています。

カバークロップの種まきの後、苗を植えます。

今回はここで時間切れとなり、「スウェィル」のアクティビティまで出来なかったが「フードフォレストは一日にして成らず」なので焦らず行こう。

4月に作ったキッチンガーデンが見事な野菜の森になりました。

毎回、コミュニティカフェawanovaのみほちゃんとやっちゃんが作ってくれる食事は絶品です!

とても美味しかった3時のおやつ。やっちゃんが育てた餅米で作ったヨモギ団子。地球生活楽校ではおやつも自給率が高いです!

食事の準備をしているawanovaのみほちゃんとやっちゃん。いつも美味しい食事をありがとう!

講義中のフィル。いつも笑いが絶えない講義です。でも、内容はマジです。

レギュラー講師である村の長老きんざさんのお話をみんな熱心に聴いている。伝統的な里山暮らしの知恵は深く、まさにパーマネントな文化なのだ。

真剣に聴いています。そして過去と未来をつなげ、常に新しい今を創造します。

地球生活楽校には、毎回うちの子供や猫たちも参加しています。

フィルが大切に育てた苗たち。これから釜沼の里山に引っ越しです。

キッチンガーデンの前で地球生活楽校のみんなと。

text 林良樹  photo by HIRONO

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「フードフォレスト」 鴨川地球生活楽校 5月レポート」への3件のフィードバック

  1. 林よしきさん。丹羽順子です。ancientfuturesのMLより飛んできました。いやぁー、すばらしいですね!今、タイのオーガニックファーム在住で、日々、パーマカルチャーの実践で、フードフォレスを作ったりしているので、とても親近感を持って読みました。日本に帰ったら是非また改めて鴨川おとずれたいですよ。農的生活、本当に深く豊かで美しいですね。同じスピリットでつながっていられたらと思います。感謝!

  2. ココさん、バンブー竹さん、ありがとう!まずは自分の周りから食べられる森にしていきましょう!そして、地球上を食べられる森だらけにしちゃいましょう!

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