「トイレ革命」 鴨川地球生活楽校 6月レポート

〜原発に反対すると同時に、僕らは311後の答えを生きる〜

現代文明は原子力発電所に象徴されるように、ゴミに責任を持たない社会である。

鴨川地球生活楽校の6月のテーマは「土」だ。その土に人間が深くコミットするため、今回はトイレを作る。


今回の地球生活楽校は登紀子さんの新しいCDに入っている詩「スマイル・レボリューション」の朗読から始まった。目を閉じて彼女の魂の言葉をみんなで聴いた。

日本を含め先進国と呼ばれる国々の多くは水洗トイレだ。水洗トイレは一回の使用に約10〜15リットルもの水を流し、貴重な資源であるうんこやおしっこを膨大なエネルギーと税金をかけて捨てている。そして、目の前の里山にある有機資源や地域にあるバイオマス資源には目もくれず、有機資源を海外から輸入している。化学肥料はモロッコ、中国、ヨルダン、カナダ等の鉱山から輸入した鉱物から作り、それにより日本の農業は支えられ、国民の命を守っている。しかしその結果、国内の土壌の力は弱まり表土は流れ、里山は荒廃し、獣は村へ降りて来て田畑を荒らし、農村は疲弊して行くという悪循環が起きている。

戦後日本は急速な工業化社会を進め、西洋型ライフスタイルを受け入れ、トイレも汲取式のポットントイレから水洗トイレとなった。都市では大規模な下水工事を行い衛生センターで浄化してから自然界へと流し、下水設備の無い地方では合併浄化槽を各家庭に設置しトイレと雑俳水を浄化し、汲取式はバキュームカーで各家庭から糞尿を集め、衛生センターでバクテリアによる浄化を行い河川へ流している。

清潔で衛生的な水洗トイレが普及し、コレラやチフス等の伝染病は猛威を振るわなくなり、それは素晴らしいことだが資源循環という視点でみると、一方通行で資源を捨てしまっている。しかし、つい数十年前まで日本は汲取式トイレで糞尿は肥料となり、資源だったのだ。糞尿は「養い水」とも呼ばれ、資源を循環させる生活文化になっていた。これから向かう持続可能な社会では、日本に元々あった循環文化を取り入れた衛生的で尚かつ資源を循環させる進化したトイレが望ましい。

また日本では家庭や事業所から出る生ゴミも各自治体で回収し、清掃センターで重油をかけて燃やしている。これらにかかる税金は各市町村によって異なるが年間数億〜数十億円にものぼっている。さらに燃やせないゴミの多くは、海に埋め立てるか、山に捨てているのが現状だ。大量生産、大量消費、大量廃棄の消費社会は一方通行な仕組みで、最終的なゴミ処理は無責任にも未来の世代と自然界へ押し付けている。

6月16日、大飯原発再稼働を決めた野田首相に異議を申し立て、市民が毎週金曜日の夕方、首相官邸前に集まり再稼働反対のデモ行い、その数は毎週増え、数百人から数千人、さらに数十万人へと増え続けている。TwitterやFacebook等で呼びかけ、イデオロギーではなく、一人ひとりの「魂の声」を政府に届けるため、ごく普通の市民が個人の意思で自発的に集まっているのだ。この「紫陽花革命」と呼ばれるムーブメントは、日本では40年ぶりに沸き起こった1960年代に継ぐ市民運動の大きなうねりだ。

農繁期で忙しく、なかなか東京のデモには参加できないが、僕もここ里山で静かに「トイレ革命」をしようと思う。

原発に反対すると同時に、「答えを生きる」ことが大切だと思う。

今までも我が家はコンポストトイレだったが、地球生活楽校のみんなとさらに進化させたコンポストトイレをつくった。

コンポストトイレでうんこやおしっこをし、その資源をコンポストステーションに1年入れ発酵させ、もう1年じっくり寝かせて堆肥にする。そしてその肥料を畑にまき、肥沃な土をつくり、野菜や果樹を育て、その実りを収穫し、食べ、それらが僕を生かしてくれ、僕はまたコンポストトイレでうんこやおしっこをする。地球上で、人間だけが唯一「生命の循環」から断ち切られている。しかし、このコンポストトイレの営みを通して僕らは再び本来の生態系である「命の輪」へと戻っていくことが出来る。

しかも、トイレの設備工事は通常何百万円もかかるものだが、このシステムを作るのにほとんどお金はかからない。

コンパネで四角いボックスを作り、ペンキ屋さんからもらった20リットルの中古の蓋付きポリバケツをボックスの中に入れ、その上に設備屋さんにもらった中古の便座を取り付けるだけだ。

「コンポストトイレの作り方」のコピーを渡して、フィルはいきなりこう言いいました。「じゃあ、みんなそれを見てトイレを作って。材料と道具はここにあるから。」自分で考え、自分で行動する。これもフィル式パーマカルチャー。

さっそく各チームで作戦会議が始まりました。

超シンプルなコンポストトイレが出来ました!

出来ました!

出来たら、座ってみたくなるものです。

このコンポストトイレの使い方にはちょっとしたコツがある。トイレの使用後、窒素分である籾殻やおがくずを、うんこやトイレットペーパーが見えなくなるまでたっぷり掛けるのだ。そうすると匂いもせず、虫もわかない。やはり、臭いのは嫌だからね。そしてバケツが一杯になったら、コンポストステーションへ中身を投入する。自分の糞尿に真剣に向き合い、糞尿が資源という意識になると、この作業は排泄物の処理というより、土づくりの一環という感覚になる。

コンポストステーションの作り方は杭を打ち、板で仕切って1.5m×1.5mのマスを3個つくるだけだ。ひとつのマスに1年分の家族4人の排泄物を入れ発酵させる。

昔の肥だめと違って意識的に窒素分である藁や籾殻、または糠を大量に投入し、高熱発酵させることにより、病原菌を死滅させるのだ。コンポストステーションに投入したらその上に藁や刈った草等をかぶせておくと匂いもせず、ハエもわかない。1年分のコンポストが溜まったら、その後1年寝かせ、次の1年分はもう一つのマスへコンポストを積んで行く。最初の1年はバクテリアによる分解で、次の1年はさらにミミズ等による分解で糞尿を見事な堆肥にする。そしてうんこやおしっこのみならず、家庭から出るすべての有機物、生ゴミ、古新聞、段ボール、紙、布、刈った草、藁、籾殻をコンポストステーションへ入れ完熟堆肥をつくる。これを二つのマスで交互にやっていくのだ。三つ目のマスには藁や刈った草等を保管しておき、藁が濡れない様に屋根を付ける。その屋根には雨樋を付け雨水タンクを設置し、雨水利用でコンポストトイレのバケツを洗う。家から出る栄養はすべて無駄にしないように、バケツを洗い終わった水も貴重な窒素分が入っているので、捨てずにコンポストステーションへ入れる。

コンポストステーションの場所を決め、整地を始めた。

コンポストステーションに使う杭の土中に埋める部分は表面を焼きます。こうすることで防水、防虫効果があり長持ちします。

垂直を出しながら、杭を建てていきます。

コンポストステーションが完成しました!これで我が家から出るうんこから生ゴミまで有機物すべてがここへ投入され、土のサイクルの中へ、命の輪へ家族全員で入ります。やさしいトイレ革命のはじまり〜はじまり〜

コンポストステーションにたっぷりの藁を敷いて、そこに早速コンポストトイレの中身=バイオマス資源をだします。

うんこが土になり、野菜になり、ごはんになり、そして僕になり、またうんこになる。僕が死んだら灰をこの土地へまいてもらいたい。そうすれば、僕はここの土の栄養となり、ここに溶け合うのだ。そして、僕は永遠にここの生態系と一体になる。このアジアの永続文化はアニミズムや輪廻思想と精神の根底で結びついているのだろう。

村の長老きんざさんに聞いたところ、この辺りも昭和40年代の水洗トイレが普及する前まではそうだったそうだ。でも、昔のポットントイレはおしっこもうんこもただ肥だめに溜めておいただけなのでとても臭く、また高温発酵させていなかったので、大腸菌などの病原菌が残っていたそうだ。

しかし、このコンポストトイレは昔に戻るのでなく、匂いも病原菌もない進化した家庭用の資源循環型衛生トイレなのだ。

さっそく僕たち家族は、地球生活楽校でつくったコンポストトイレで暮し始めた。

まず僕たち家族の生活から、自分たちの出すものに責任を持つ生き方をしよう。これは土の上に暮すことが出来るなら、誰でも出来る小さくて偉大なトイレの革命だ。

2年後に出来る堆肥が楽しみだ。

古民家の土間は、トイレ革命実行部隊の秘密会議を行うアジトになったのだ。

日本ミツバチが樽で作った家に入ってくれました!ヤッター、超うれしいです!良く見ると日本ミツバチってとてもかわいいです!

カンナが咲きました。

ガクアジサイも咲きました。

円形劇場畑に播いたクローバーの芽が出てきました。

地球生活楽校に新しい仲間が増えました!なんと静岡から来てくれました!なほさん、これから、よろしくお願いします。

今回のおやつは、キッチンガーデンから収穫したサラダとふかしたジャガイモです。なおこさんが作ってくれたレモンソルトをかけたら、マジでうまかった〜!

今回もawanovaがつくってくれたランチは美味しかったです。ごちそうさまでした!地球生活楽校のごはんはクオリティーがあまりにも高いので、ビックリしました!って谷くんは言っていました。みほちゃん、やっちゃん、谷くんが弟子入りしたいって言ってたよ。

講義中のフィル。相変わらず笑ってます。

どらちゃんとチームパーの仲間たちが前回の続きの階段を完成させてくれました!

階段のラインが柔らかい曲線で美しいです。

子供たちも大喜び!

村の長老きんざさんも愛車スーパーカブに乗って見に来ました。「どうだい、うまくいってるけ〜よ」「はい、おかげ様で!」

text 林良樹  photo by HIRONO

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