鴨川地球生活楽校11月ロケットストーブ 〜新しい社会をつくるスイミーたち〜

〜新しい社会をつくるスイミーたち〜

1458807_573966736008966_1369217894_n

鴨川のスイミーたち

11月の鴨川地球生活楽校は「懐かしい未来」の著者であり、ドキュメント映画「幸せの経済学」を制作したローカリゼーション運動の世界的オピニオンリーダーのヘレナ・ノーバーグ・ホッジ氏が加藤登紀子さんと鴨川地球生活楽校に遊びに来た。

彼女の提唱する「懐かしい未来」は、まさに鴨川の目指す世界だ。

2003年に出版された日本語訳の「懐かしい未来」は、僕らの方向をまさに表現してくれた内容で、10年前に読んだ時、僕はこの本に深く共鳴した。また、ANCIENT FUTURESというタイトルを「懐かしい未来」と訳した鎌田陽司さんのセンスも素晴らしく、この言葉は僕の活動のキーワードにもなっている。

先日の三宅洋平くんとのトークイベントの時、登紀子さんにヘレナさんを鴨川に連れて行くかもしれないと言われた僕は飛び上がるほど喜んだ。

今回の鴨川地球生活楽校は、11/2(土),3(日),4(月)と3日間かけてベンチ型ロケットストーブづくりと醤油しぼりを行った。

森林資源の少ないアフリカの乾燥地域で煮炊きが出来るように開発されたロケットストーブは、最小の資源で最大の熱効率(薪ストーブの5〜6倍といわれている)を発揮するスグレモノだ。講師のNPOトージバの神澤さんは、自宅の古民家にロケットストーブを設置してから、なんと一滴も石油を使っていないそうそうだ。素晴らしい!

しかも材料は里山にある土と石と藁で、購入するものは配管とドラム缶と耐火レンガで材料費は3万円くらいしかかからず、どこでも誰でも作れるのがロケットストーブのメリットだ。デメリットは大量のコブが必要になる。コブとは土と砂と藁を混ぜた粘土だが、これを練る作業が大変な重労働なのだ。でも、大勢でやればドロンコ遊びのようで楽しい作業になる。

ヒートライザーをつくるステキなご夫婦!

ヒートライザーをつくるステキなご夫婦!

女子もガンガンやります!

女子もガンガンやります!

みんなで協力すれば何でもできる!

みんなで協力すれば何でもできる!

1456874_573966742675632_739657275_n

コブ練りダンス!

出来たぜ、いえ〜!

出来たぜ、いえ〜!

また、醤油づくりも個人でやるとなるとかなりハードルが高いが、鴨川では「安房手づくり醤油の会」というグループをつくり、コミュニティで協力しながら醤油をつくり、今では60家族くらいが醤油の自給をしている。

安房手づくり醤油の会の親方である今西師匠

安房で作った醤油船から流れる醤油の一番搾り

安房で作った醤油船から流れる醤油の一番搾り

ロケットストーブも醤油も個人で自給することは中々難しいが、コミュニティで協力しあうことで可能になるのだ。

今回は食とエネルギーのローカルコミュニティでの自給という、まさにローカリゼーション的なワークショップだ。

なか日の11/3(土)、昼食をとりにコミュニティカフェawanovaへ行くと登紀子さんとヘレナさんも丁度到着していた。

このコミュニティカフェawanovaは地域通貨安房マネーの仲間たちとつくり、鴨川地球生活楽校を一緒に運営してくれる友人の美穂ちゃんとやっちゃんの二人の料理家が中心に運営するコミュニティカフェだ。毎月新月の日にオープンするお店は、量り売りのオーガニック食材、フェアトレード商品、マクロビスイーツ、自然食ランチ、地元の有機無農薬の野菜やお米、天然酵母パン、南インドカレー、自家焙煎コーヒー、陶芸、手づくり雑貨、手づくりチーズ、古本、中古CD、子供服のくるくる市などなど、この地域のステキな物と人が集まるローカリゼーションなスペースだ。しかも商品の一部は地域通貨が使えるモノもあるのもうれしい!

1396428_573968986008741_1133802624_n

コニュニティカフェawanov a

コニュニティカフェawanov a

awanovaの美味しい自然食ランチをござの上で食べました!

awanovaの美味しい自然食ランチをござの上で食べました!

「ようこそ鴨川へ、ここは懐かしい未来です。」

と挨拶すると、ヘレナさんは目を大きく開いて微笑んだ。awanovaの自然食ランチを食べながらヘレナさんと僕は、鴨川のこと、僕の取り組みのこと、ローカリゼーションのことについて、色々と意見交換をした。

なかでも「美」について意見が一致したことが印象深かった。

常々、僕は新しい社会を生み出す原動力に「美」が大切な要素だと思っている。

その美の概念は、毎日の暮らしに関わる衣食住の「生活美」であり、山、川、海、農地、家、道路、看板、街灯、駅、街など自然環境から公共物を含めた社会全体の「環境美」、家族を大切にし、隣人を思いやり、世界を慈しみ、平和を愛する「精神美」、地球を宇宙から俯瞰して見つめる巨視的な「惑星美」など、芸術や文化のみならず生活や心、さらに社会や宇宙の領域まで広げた「ホリスティックな美」だ。

昼食後、今回の会場であるポレポレフィールドにヘレナさんと登紀子さんも来てくれた。ここは、ODAで長年アフリカの支援をしていた岩田さんが、このやり方では本質的な解決にはならないと決断し、仕事を辞めて鴨川に移り住み、都市住民が楽しく自給できる場づくりをしているフィールドだ。

ヘレナさんは僕らにこう話してくれた。

「物質的な豊かさだけでは、決して人は幸せにはなりません。いくら物が手に入っても、人の心は満足しません。それは、世界中の都市を見れば明らかです。

高い技術を持ち、物質的豊かさを享受しながらも、伝統的な文化をまだ保持している日本は、ローカリゼーション運動においてとても重要な役割を果たすでしょう。日本のローカリゼーションは、これから経済発展していく国々のお手本になります。だからこそ、今、物質的だけではない真の幸せを地域で実現し、その情報を発信し、世界中の市民と連携していく必要があります。」

当日、通訳として同行してくれたナマケモノ倶楽部の理事の宇野さんのレポートがとても的確に素晴らしくまとまっているのでここで紹介します。

“ 登紀子さんの自然王国、林良樹さんの地球生活学校などを訪問しました。

ローカルな取り組みをする中で、「美しさ」「楽しさ」「おいしさ」そういったものが持続可能性を測る物差しだと思うという林さんの言葉に、ヘレナさんは、強い共感を示し、自然物の「美しさ」に対して人工物の醜さという対比が世界中に見られることや、林さんの言うような文化的側面こそ経済価値の有無にとらわれている現代社会の価値観に代わるものとして重要な役割を果たすと話されました。

また、ローカリゼーションを進める上で、自分たちの地域や国にとらわれず、国際的視野からの連携を進める必要性を強調されていました。現在世界中で展開されている地域毎の取り組みには、グローバリゼーションという均一化への世界規模の影響に対する抵抗という共通する一面があり、そのことを意識し連携することで自分たちの取り組みに世界規模の運動につながる意義があることを理解して欲しいとのことでした。

そして、日本は洗練された科学技術を持つ世界有数の国であると同時に、「懐かしい未来」を築くための真に洗練された技術を失ってしまったわけではなく、その「記憶」が残っているという点で「先進国」の中でも希有な存在であることを意識して欲しいとのことでした。特別な立ち位置にある国であることを意識するというのは、ローカリゼーションを進めるチャンスを逸しないで欲しいというだけでなく、近代化を強要され伝統文化や自尊心を著しく傷つけられている「発展途上国」の人達に対して日本での取り組みを発信することで、自尊心を取り戻すことを助け、消費主義へ猛進することが真の発展への道ではなことを知らせてくということです。

登紀子さんも、「私たちのようになりなさい」ということ、つまり、「先進国」という看板をしょって「自分たちの方が優れている」という立場から「発展途上国」と関わることは助けになるどころか望まれぬ「発展」を押し付けるだけだということを指摘されていました。こうした既存の価値観を捨て、新たな関係を構築していくこともローカリゼーションの一環として考えるべきこと、とヘレナさんもうなずいていました。

こうした話の中で思い出したことですが、最近では「先進国」「発展途上国」あるいは「北諸国」「南諸国」という言い方をやめて「少数派世界」「多数派世界」と呼ぼうという話があります。現行の社会経済構造に圧迫されている人々を「多数派世界」と考えるわけですが、ローカリゼーションはこの多数派世界を先導し世界を創る力を取り戻す運動だと考えれば、国境は意味をなしませんし、ヘレナさんの言う国際的連携によって生み出される多様性こそ現代社会への「解」であると思えて来ます。“

全く同感だ。

こういう市民の世界的なつながりから社会は変革していくと僕は思っている。鴨川のようなコミュニティが、日本中の他のコミュニティとつながり、それが世界中のコミュニティともつながり、情報交換し、問題点を共有し、そしてより良いアイデアをシェアすることにより、お互いのコミュニティを成熟させていくことができるだろう。その市民の連携は国境を超えて、ローカリゼーションの世界市民連合が生まれていく。

そして、それはすでに起きている。トランジッションタウン運動は世界に千以上のネットワークを持ち、エコビレッジ運動もGENという世界的ネットワークを持ち、緑の党、有機農業、環境や平和のNGOやNPO等々、これから様々な世界規模の市民ネットワークが生まれてくるだろう。

持続可能、平和、ローカリゼーション、環境保全、フェア、ジェンダー、真の豊かさと本質的な幸せ等の共通テーマで世界中の市民が連携していくのは、人類始まって以来の出来事だ。

世界中のローカルコミュニティを崩壊させ、自然環境を破壊し、今や地球全体を飲み込む多国籍企業の言いなりとなる政治と経済の暴走を、止められるのは実は僕たち「市民」なのだ。ライフスタイルも文化も経済も政治も社会全体を市民がデザインし、僕らこそが新しい社会を創造することができる。これからの時代は資本主義でもなく、社会主義でもなく、ローカリゼーション、すなわち世界的視野を持つ地域主義だ。

ヘレナさんはローカリゼーション運動において日本の重要性を力説

ここに希望の未来があるのよ!登紀子さんの熱いメッセージ!

ここに希望の未来があるのよ!登紀子さんの熱いメッセージ!

先月、京都大学の小出先生に来ていただき、鴨川の小さな公民館で講演していただいた。小出先生は、311以降の政府の判断を厳しく批判し、今、日本はとても危ない状況であることを指摘された。福島原発4号機建屋には、広島原爆の1万4千発分の核燃料棒が冷却プールのなかにあり、それがいつ崩壊してもおかしくない状況だという。それが崩壊したら日本は終わりであり、世界も危うい。そこは、放射能汚染があまりに高濃度のため、人間は近づく事はできず、これからその建屋の横に巨大なクレーンを操縦できる建物を建設し、そのクレーンは100トンもあるキャスクを吊るし、プール内の核燃料棒を一個ずつ取り除く作業が始まるそうだ。小出先生は、その計画を進める東電がはたして失敗することなくその作業を続けることが出来るのかとても疑問に思うと言っていた。しかも、現場の作業員は高い放射能汚染のため長く続けることは出来ず、現在やくざが日本中から労働者をひっかき集めているそうだ。それでも足りなくなるので、今後は外国人を雇うだろうと。そんな状況なので、福島原発の作業員はシロウトばかりが集められているそうだ。

政府もマスコミもその事実には一言も触れず、汚染は完全にコントロールされているとこの国の首相は真っ赤な嘘を言いオリンピックを誘致した。安倍総理がこの発言をした途端、ジャーナリストの高野孟さんのPCへ海外のジャーナリストや環境NGOから安倍総理の嘘を裏付ける情報がいくつも送られてきたそうだ。知らぬは日本人だけで、世界は知っている。それなのにオリンピックの誘致にお祭り騒ぎし、トルコに原発輸出を決め、山本太郎氏を叩いている。

僕らの現実はまるでSF映画のようだ。「風の谷のナウシカ」は現実になってしまったのだ。まるで、嘘で固めたゼリーの上に乗っかっている日本というこの国は、再び大きな揺れが来たら、いとも簡単に崩れ落ちてしまうだろう。

鴨川地球生活楽校の初日の夜、ドキュメント映画「懐かしい未来」をみんなで観てディスカッションした時、鴨川地球生活楽校を手伝ってくれている友人のメグちゃんが絵本「スイミー」(著 レオ・レオニ/訳 谷川俊太郎)の話をしてくれた。

スイミーのあらすじはこうだ。

“スイミーは小さな魚。ただ、兄弟がみんな赤い魚だったのに、スイミーだけは真っ黒な小魚だった。泳ぎも得意であり速かった。大きな海で暮らしていたスイミーと兄弟たちだったが、大きなマグロに兄弟を食べられてしまい、泳ぎが得意だったスイミーだけがなんとか助かる。

兄弟を失ったスイミーはさまざまな海の生き物たちに出会いながら放浪するうちに、岩の陰に隠れてマグロに怯えながら暮らす兄弟そっくりの赤い魚たちを見つける。 スイミーは一緒に泳ごうと誘うのだが、マグロが怖いからと小魚たちは出てこない。

そこでスイミーはマグロに食べられることなく自由に海を泳げるように、みんなで集まって大きな魚のふりをして泳ぐことを提案する。そしてスイミーは自分だけが黒い魚なので、自分が目になることを決意するのだった。かくして小魚たちはマグロを追い払い、岩陰に隠れることなく海をすいすい泳げるようになったのであった。“

黒い魚スイミーは、芸術家の社会における役割であり、市民が巨大な権力に立ち向かうことが出来ることを示唆する物語でもある。それは、小さなローカルコミュニティが連携することでグローバリゼーションに対抗することも可能になるというローカリゼーション運動にも重ねて見ることができる。

僕らの鴨川での小さな取り組みが、やがて日本社会のスイミーとなるだろう。

都市に暮らす人、地元の人、新住民(移住者)、Uターン住民、外国の人、世代も国籍もあらゆる「枠」を超えて、「新しい社会を望むスイミー」たちと、これからも鴨川を盛り上げていこう。

楽しく、美味しく、面白く、そして美しく!

1456919_573967889342184_817547156_n

ローカリゼーション世界市民連合!

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中